へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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(TVK)ef - a tale of memories. #12(終)

ef - a tale of memories. 2 [DVD]ef - a fairy tale of two.宮村みやこ PVC完成品 ef - a tale of memories.3 [DVD]
ef - a tale of memories.4 [DVD] ef - a tale of memories. 5 [DVD]
ef - a tale of memories. ORIGINAL SOUNDTRACK ~espressivo~
ef-a fairy tale of the two. 新藤 景 (1/8スケールPVC塗装済み完成品)
OPが日本語バージョンに戻り、シルエットで砕け散っていた
ヒロイン達がそれぞれのパートナーに救われるという映像に変更。
最後まで芸が細かい。そしてそのわりに表現としてはわかりやすい。
Aパートは、蓮治と千尋の話の顛末。
悩み、迷った末に千尋のメモでその真意を知った蓮治が、
再び走り出しメモかき集めて千尋に会いにいく流れは熱かった。
あれはもう、蓮治が走り出した時点でテーマ的には完結していて、
千尋の方も何度も思い返してしまい蓮治を忘れられなかったというのは、
ハッピーエンドのオマケのご褒美みたいなものだよなー。
何度か繰り返される蓮治の走りが、ちゃんと蓮治の心情に合わせて
その都度走り方が違っているという作画の力量には驚嘆させられた。
演出や止め絵でびっくりさせられるのは毎度のことだったけど、
こういう地味目な芝居作画で魅せることも出来るのがスタッフの底力だなぁ。
BパートとCパートはそれぞれのエピローグ。
主人公三人が別個に自分を語るラストシーンは、
わざと舞台っぽさを全開にしていたのかな。
作品のカラーを象徴する終わり方にはなっていたと思う。
Cパートの火村さんの話は、原作ゲームやれってことですかね・・・。
何となく、主人公達が奇跡を起こしたんで謎の人が具現化出来たみたいな
裏事情は微妙に伝わってはくるけど。
全体的には、テーマも演出も何もかも、青臭いという言葉が似合うのだが、
しかしそれがこの作品には必要だからと技術として出されたものなのか、
本気でスタッフから滲み出てしまったものなのかが良くわからない・・・。
たぶんどちらも本当で、物凄い技術を身につけたスタッフが
思う存分自分を出せる場を与えられた結果、計算でやってるつもりが
うっかり暴走したり素が出ちゃったりもしたって感じだろうか?
新房昭之が開いた道を大沼心はより過剰に走っていくのか・・・。
ただ、新房演出と比べると、大沼演出は映像こそ過剰だが
メッセージ的には真っ直ぐなのかなという気はする。
セカイに何の影響も及ぼさないただの恋愛話、舞台はセットのような街、
人物は記号、心情は全てカット割りに切り裂かれ露悪的に晒される、
そんなミもフタもないアニメでしかあり得ないような形式だからこそ、
描ける真実、凝縮され結晶化する想いというものも存在する。
表現というのは本当に面白いものだと、改めて思わせてくれた作品だった。
この作品が歴史の流れのなかでどんな意味合いを持つのか、
現時点ではまだわからないのだが、何か先に繋がっていってくれると嬉しい。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。