テニスの王子様
テニスの王子様 100曲マラソン [DVD]
実写映画版のテニスの王子様。
美形キャストやCGによるスーパーショットの数々が
話題になった作品だが、今回初めて観てそれ以上に
原作が持つ「少年マンガとしての正しい熱さ」の再現に
凄く真面目に取り組んでいるのが印象的だった。
最初の二分くらいで原作第一話のエピソードを終わらせ、
そこからも三十分くらいで氷帝戦に突き進む高速展開なのだが、
原作エピソードの拾い方・繋ぎ方が良く考えられていて、
リョーマの成長物語としての要素をむしろ純化させるような方向で
話をまとめているのは上手かったなー。
時間をたっぷり取った氷帝戦での、
オーストラリアン、ブーメランスネイク、波動球合戦、
白鯨、そして手塚VS跡部と延々エスカレートする試合内容に合わせて
リョーマの心が熱くなっていく描写のシンクロ具合は見事だった。
ただ、肝心の最終決戦となるリョーマVSオリキャラ檜垣の試合は、
ラリーをじっくり見せることで二人の心理を表現するなどの演出が
さすがに真面目過ぎてせっかくの勢いを殺してしまっていた気はしたけど。
しかし基本的に笑えて燃える意外な佳作になっていたのには本当に感心。