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とらドラ! #25(終)

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大河の嘘電話によって泰子は実家へと呼び出され、両親と十数年ぶりに和解。
そして竜児は「お前の前で大人になる」と泰子に宣言し、大河にキス三昧!!
・・・っていうか、あの会話はマジで母の前でやるって意味かと焦ったぞ!!
繰り返しキスをするシーンは完全に寸止めラブコメを卒業して
二人の愛の物語に変わっていくのが感じられて、
ひたすらエロいという以上に感慨深くもあったな・・・。
しかしここで家族の大切さを改めて認識した大河は敢えて竜児から離れ、
誰にも告げず転校し親と一緒に暮らすという決断をする。
ここまできて竜児と離れ離れになるという決断を大河が下したのは、
あくまで「竜虎並び立つ」為には竜児に依存するのではなく
竜児が泰子を支えるように自分も親を支えながら
一人でやっていかなきゃならないと考えたんだろうけど、
それにしてもまた一気に突っ走った感じはしてしまったなぁ。
まあ、元々暴走するのが大河なんでそういう意味では一貫性あるのか。
ただ実乃梨と亜美にも個別にメッセージくらい残してあげても良かったのに。
実乃梨が竜児ビンタしたのは単に連絡なかったのにキレたのではなく、
せっかく身を引いて竜児と大河をくっつけたのに
二人が離れただけでなく大河が消えるという実乃梨的には
最悪の展開になってしまったことでテンパっちゃったのか・・・。
その後のクラス全員への星メール返信を受けての大演説からすると、
自分なりに整理はついて新たに星を探す余裕も出来たようで良かったが。
亜美の方は恋人でなくても理解者がいてくれれば良いという形で
想いを整理した模様。この恋人にはなれなかったけど大切な人では
あり続けるという竜児と亜美の関係性の落としどころは美しかった。
青春時代じゃないとあり得ない奇跡の関係性って感じもするけど。
それにしても最後のまとめについては、星、ケータイ、手乗りタイガー伝説と
細かいエピソードの積み重ねを活かし切っていて凄かった。
尺の関係上語り切れていない部分も多いし
わりとあっさり一年後の卒業式エンドになってしまったのは寂しいのだが、
それでもこう見事にまとめられてしまうと文句が言えないなー。
卒業と同時に帰ってくる大河、夢のような時間の終わりと
新しい二人の時間の始まりを予感させる、地味に沁み入るラストだった・・・。
全体としてはいかにもマンガ的なラブコメ要素とリアルな触感のある恋愛要素の両立、
古典的なネタの数々を組み込みながら現代的でドライな視点を持ち続ける
絶妙なバランスなど、とにかくあらゆる面でセンスの良さが際立っていた印象。
これはこの一作での成果というよりも、J.C.STAFFがずっと手掛けてきた
ノイタミナ作品のノウハウと、それを萌えアニメに移植しようとして失敗した
キミキス」の経験あってこそではあるのだろうなぁ・・・。
監督の長井龍雪にしても「ゼノグラシア」の不完全燃焼が
ここでようやく報われたという感じがするし。
それと、何といっても原作小説10巻ぶんを2クールに収めきって
中盤においては毎回クライマックスかというような
怒涛の勢いを生み出していた岡田磨里のシリーズ構成が白眉だった。
true tears」で掴んだものを原作付き作品でここまで発揮してくるとは
正直思っていなかったのでとにかく唸らされた。
あとはやはり声優陣のハマり具合か。
またツンデレ釘宮かよ!!・・・とか言ってたはずなのに、
終わってみれば釘宮理恵の演技の懐の深さにただただ感服するばかり・・・。
堀江由衣も間違いなく今作のなかで一番難しい役だったと思うのだが、
それを硬軟織り交ぜあそこまで鮮烈に演じてくれるとは。
そしてそんな二人にまったく見劣りすることなかった喜多村英梨の成長度。
喜多村英梨はここ数年、聞くたび上手くなってる気がして恐ろしい・・・。
勿論、間島淳司の嫌味のない主人公演技も素晴らしかったし、
脇の面々も後藤沙緒里のインコちゃんとか妙に面白いのが多かった。
ともかく、いかにもなラブコメから始まってドロドロ恋愛劇と化し、
最後は大人への階段をしっかりと昇っていく青春ものになるという、
非常に贅沢な密度と興奮を与えてくれた作品だった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。