ささめきこと ＃９

ささめきこと オリジナルドラマCD 純夏の一番長い日
純夏を一方的に同人仲間だと思い込んで舞い上がった蒼井さんが、
初めての同人小説書きに青春を燃やし尽くした挙句に自爆する話。
延々と蒼井さんの思い込みによる空回りを見せていく内容で、
一歩引いて見れば蒼井さんのイタさをただ楽しむだけのものなんだけど
絶妙に蒼井さんの心情の方に視聴者を引き寄せていくよう演出がされていて、
何だかんだで蒼井さんが純夏にフラれるクライマックスの頃には
蒼井さんに同情する結果になっているというのが非常に巧みだったなぁ。
音楽の使い方や両親との距離感、泣き声が響くタイミングなども
計算が行き届いていて実に丁寧な作りだったという印象。
オチで純夏が蒼井さんとの距離を縮めていったことで
汐とのすれ違いが始まるという三角関係突入なヒキも上手かった。
全体的には共感可能な視聴者層がかなり限られる作りだと思うんだけど、
想定される範囲内で出来ることを誠実にやってる感じなのは頼もしい。
それと、序盤の純夏と汐のジェスチャーコミュニケーションの描写が
字幕なしでも確かに何となく伝わるような動きになっていて感心してしまった。