ソ・ラ・ノ・ヲ・ト ＃１２（終）

　ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 3 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
最終回。
好戦派の軍人との衝突、ノエルの過去の罪とその救済、神話の真実、
そして戦争を止める為に軍規を逸脱しても走る砦の乙女達・・・と、
各種要素を伏線に従って順次消化しながらラストに向けて
ドラマの圧力を高めていくという、脚本的には順当過ぎるほど順当だけど
演出的には力技で対処している感じを受ける不思議な最終回だった。
明らかにエピソードを詰め込み過ぎなうえに一つ一つが
設定説明にしかなっていないのだが、それを受けてのキャラ描写に
手抜きがないおかげで上滑りせずに意外と素直に感動的な流れは出来ていたなぁ。
とはいえ、誰もが予想したトランペットで曲吹いて休戦とか、
皇帝が話のわかる奴だったんでリオが復帰するエピローグとか、
さすがに最重要な部分がお手軽過ぎた気はしてしまうが・・・。
タケミカヅチの多脚戦車描写など見応えのある演出も多かっただけに、
何かもう一押しあっても良かったという不完全燃焼な感が残った。
作品全体としても、「アニメノチカラ」第一弾として
あらゆる面で気合充分な出発であったにもかかわらず、
話を進めるなかで手堅くまとめることが優先されていって
結局は突出した魅力のない地味な佳作に収まってしまったのが非常に残念。
あの第一話やOPで散々匂わせていた死の予感は何だったんだ・・・！？
開始前の、流行りものを継ぎ接ぎしただけなんじゃないかという懸念を
払拭することが出来なかったのは最終的な完成度以上に深刻かも知れない・・・。
ただ、確かに光る部分も多くあったことは間違いないので、
「アニメノチカラ」の今後も含めて可能性は未来に繋げていって欲しい。
せっかくここまで作り込んだ世界観とキャラを使い捨てるのは
勿体ないと思うんだけど、メカバトル増やして第二期とか・・・無理か？
ともかく、スタッフの皆様、お疲れ様でした。