仮面ライダーオーズ/OOO ＃３２

乾いちまった映司の欲望、覚醒する紫の狂気。
映司の過去については内容もさることながら、伊達さんの解説があまりにもカッコ良くて聞き惚れてしまった・・・！！
こういう男のドラマをやる部分ではこの作品、恐ろしくセンスが良いなぁ。
しかし募金したつもりが変な流用されたり内戦の資金に使われて絶望って、何てタイムリーな話なんだ。
過酷な現実に対して何も出来ない無力感、その想いすら何かに利用され流されるだけの虚無感、そこから来るただ周囲の平穏だけを守り続ければ良いという停滞した正義感、どれもこれも本当に「今」の物語になっていて考えてしまう。
そもそも利己的な欲を捨てて手の届く範囲を守るという正義の在り方は、2000年代に苦闘の末にようやく辿り着いた「答え」だったはずなんだよね。
だが急速に現実は動き、物語もあっという間にそこに留まってはいられなくなってしまった。
時代に合わせた正義を探し求めるのがヒーローの宿命とはいえ、この作品が期せずして背負ってしまったものは重過ぎる・・・。