へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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赤の肖像〜シャア、そしてフロンタルへ〜

SDガンダム ジージェネレーション ワールド コレクターズパック 特典 Gジェネエース付き
ガンダムUC原作者、福井晴敏が書き下ろしたシャアの独白文を池田秀一が読み上げる朗読劇。
公式はどこまでいってもトミノ脳内にしかないのだろうが、これは限りなく公式に近い「シャアの遺言」でありガンダムシリーズにおいても非常に貴重かつ節目ともなる内容。
ララァを巡るアムロとの確執、ア・バオア・クーでの行動の真意、「Z」時代の鬱屈、そしてアクシズの光の中に消えていく際の救いと、シャア・アズナブルという男の人生が一貫した語り口でまとめられていて、恐らくよほどうるさ型のファンでも納得のいくものになっているのではないかと思う。
アムロに帰れる場所があったのに対して、ザビ家への復讐心しか帰る場所のなかったシャアの心情を語っていたのは長い年月を超えてようやくあのファースト最終回に決着がついた感じがしたなぁ・・・。
そして改めてあの最終回のサブタイトルが「脱出」であったことが深い!!
ただ「Z」から「逆シャア」への流れは、カミーユが精神崩壊したことが結構シャアの重荷になっていたように語られているのに映像には新約バージョンが多く使われていて、結局どっちが正史なんだかわからない状態になっていたな。
あと「ZZ」時代について「私の関知するところではない」の一言で済ませたのがヒドい!! お前プレリュードには出てて散々登場期待させてたくせに何だよその無責任さ!!
そして「逆シャア」の終局から「UC」へと移るシーンは、安らかな眠りにつけたかに思われたシャアが亡霊の如く再びフロンタルとして呼び戻される因縁を、池田秀一が凄まじいパフォーマンス力で演じ切っていて圧倒された。
シャアからフロンタルに切り替わる際の芝居にはゾクゾクきたなー。
池田秀一ってあまりにもシャアの印象が強い為どうしても演技力よりも個性で語られがちだけど、こうして「芸」の力を見せつけられるとやっぱ半端ない人だなと改めて思い知らされる・・・。