へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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GOSICK-ゴシック- #24(終)

GOSICK-ゴシック-BD版 第4巻 [Blu-ray]
戦乱の時代を約束を胸に生き抜こうとする二人、そして運命は再び二人に微笑む。
というわけで、日本まで辿り着いたヴィクトリカと戦場から帰還した一弥が再会を果たしてハッピーエンド。
そこに至るまでの追い込みが実に容赦なかったので、きっとハッピーエンドになってくれると信じながらも最後まで不安だった。
いや、終わってみてもこれ妄想なんじゃねーのという疑念がなかなか晴れずに参った・・・。
実際問題として、理詰めで考えていけば一弥はあの戦場で本当に下半身吹っ飛ばされて死んでいるはずだと思うんだよね。
原作者もこれがラノベでなかったらそういうオチにしていたんじゃないかと。
ただ、アニメ化もされてキャラへの愛着も深くて、色々と総合的な判断が加わってまさに運命が改変されたのではないかという気がする。
まあキャラの力がストーリーの必然性をねじ曲げてハッピーエンドを引き寄せたのだ・・・とまで言うと何かラノベ的に燃えるし納得もいくかな。
しかし相当駆け足なクライマックスではあったなぁ。あまりじっくりやられても観ていて辛いだけだからこのくらいで良かったのかも知れないが。
二人の髪の変化で、時間経過と互いの過酷な状況を表現していたのは上手かった。あのビジュアル的な演出はアニメ側の判断?
髪型といえば兄貴だけど、もうちょっとカッコ良い見せ場を期待したかった。結局見逃しただけで自力で何か成し遂げた感じもないし・・・。
あと、アヴリルの手紙が戻ってくるのは笑えると同時に切なかった・・・。
全体的には、初期のミステリ重視の内容は軽さが目立って今ひとつだったものの、ヴィクトリカのキャラを萌え描写と過去の因果で多角的に掘り下げていく構造になってからは物語の牽引力が非常に力強くなって面白かった。
壮絶な過去と現在の可愛らしさ、ヴィクトリカを軸に緊張と弛緩が連続していく構図が出来ていたのが上手かったんだろうなー。
そしてそれを支える悠木碧の名演!! まどマギと同時進行だったこともあってその加速度的な成長には毎回目を見張るものがあった。
これが初主演だった江口拓也も、誠実で常に全力気味な芝居が好感度高くて魅力的だった。
こういうタイプの話で男主人公にそんなに嫌味が出なかったのはあの演技のおかげだと思う。
最近はオリジナルが続いたものの原作再構成能力の高さもここで改めて見せてくれた岡田磨里の脚本、重い表現も逃げずにこなし同時に常に暖かな印象も与え続けた作画演出も安定してハイレベルで見事。
派手に話題をさらうようなタイトルではなかったものの、凄く丁寧に扱われた幸福な作品だった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。