（新）新世界より ＃１

ホラー小説界の旗手、貴志祐介によるホラーSF小説のアニメ化。
監督：石浜真司、シリーズ構成：十川誠志、キャラデザ：久保田誓、制作：A-1 Pictures。
そして放送はテレビ朝日深夜枠。鷹の爪を除けば「黒神」以来三年ぶりくらい？
本編は超能力を発現した人類の誕生により大きく変化した千年後の未来世界で生きる、少年少女達の物語。
複雑で独特な世界観のなかで生活するヒロイン達の日常をまずは見せる内容だけに、説明は最小限で取っ付きは決して良くはない。
ただ、ホラーが基盤にあるおかげでその情報不足も恐怖を掻き立てる要素になっている。
個人的には最初はもっと未来の超能力学園で楽しくやってる雰囲気から入るのかなと思っていたので、スタートダッシュから不穏さ全開なのは逆に意表を突かれた。
このダークでハードでヘヴィな感じ、何だかとてもテレ朝深夜アニメっぽい。
ちなみに何でそう感じるのかと考えてみたら自分のなかでは未だにテレ朝深夜っていうと「サイファイハリー」のイメージがあるからだ・・・。
他にも巌窟王とかレッドガーデンとかKURAUとかあの辺の系譜を確かに感じる。
またアニメーターとして舛成孝二などと組んできた石浜真司が、こういうタイプの作品で初監督を務めるとは正直意外。
久保田誓のデザインを石浜真司がどう演出しホラーやSFといったジャンルに切り込むのかは非常に楽しみではある。
今回だけでもイメージシーンからリアルなスプラッタ描写、更には情感豊かな帰宅風景など多彩な映像を駆使していて演出センスの良さは光っている。
かなり過酷なストーリーを予感させるが、最後までブレずに突き進めば相当な風格を持った作品になりそうな印象。