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へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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【デレマス2nd速報感想】アイドルマスターシンデレラガールズ第21話、彼女の秘密の花園には獣が棲んでいる(前編)

 

 

 「小公女」が入っているんだろうな、とは思っていたのですよね。

 しかしそれは自分の浅い知識だと「小公女セーラ」であって、要するに「世界名作劇場」的というアニメ文脈での理解でしかなかった。常務がポジション的に「小公女セーラ」や「赤毛のアン」や「アルプスの少女ハイジ」に見られる厳しい躾を行う女性キャラのイメージなんだろうと考えていたのもあって、思考がそこで止まっていた。

 「秘密の花園」!!

 ですよねー。庭園があれだけ象徴的に何度も何度も出てきて、なのにあんなに人の多い事務所でウサミンカフェなどとは違いCPメンバー以外が入ることがほとんどなくて、花がモチーフで、魔法がキーワードで、外に出て冒険しようというのがテーマで、それはもう完璧に言われてみれば秘密の花園だよね!! 何で気付かなかった!? っていうか「ひみつの花園」もNHKでアニメになってるだろ見てただろお前!?

 

 島村卯月が人知れず野に咲く花そのもの。

 渋谷凛が花の価値を見分けることのできる花屋の娘。

 という関係性において本田未央だけ花と離れていたのが、ここにきて花モチーフのド真ん中にグイっと力技で寄ってくるというのがまた熱い。

 お芝居を通じて本音を語り合う展開自体は、普通に考えると相当に無茶苦茶をしているんだけど、しかし本田未央もアニメスタッフも悩みに悩んだ末に「これしかない」と辿り着いた唯一の答えであることは疑いようもない。

 確かに他に手はない。単純に未央が理路整然とソロ活動を始める理由を説明したとしても、そこで凛と卯月の感情がクリアになるはずがないし、未央自身そんな理路整然と自分の心理を説明できる状態にはないわけだから。

 何か未央自身が行動して理屈ではなく実感を掴み取って、そのうえでそれをダイレクトに凛と卯月に届ける手段がなければこの問題に一区切りもつけることはできない。

 

 そこでお芝居!!

 演目が偶然なのかPの神采配なのかわからないが「秘密の花園」!!

 更に美嘉か美嘉部署Pの差し金なのか現場で揃うポジティブパッション!!

 

 この展開、繰り返すが無茶苦茶してるんだけど「これしかない」。上空数百メートルから地上の針の穴に糸を通すような、どんなに無茶でもこれをやるしかないという唯一無二の解法。

 よくもまあこんな恐ろしいことを……と戦慄する一手ではあるが、やってのけたスタッフは偉いし全力で受けて立った原紗友里には感謝と尊敬しかない。

 今回の話、どんなに演出を作り込もうと究極的には「原紗友里の芝居に丸投げ」であって、方向性は違うがアニマスでの「約束」回における今井麻美の歌唱や劇場版における中村繪里子の演説に似たものを感じる。この無茶振りが、アイマス!!

 

 しかしこの21話、個人的に前回までに考察アイディアを出し尽くしたこともあって見ていて色々と、あっちこっち脱線して考えることも多かった。それが意味があるのかないのか、現時点ではわからない。わからないのだが、何か手がかりや重要なポイントに自覚なく触れている可能性もあるのでとりあえず挙げておく。

 ただ、ほとんどは本当に脱線した話にしかなっていないと思いますので、あまり真面目に受け取らないでください。

 

・島村卯月は何を「隠して」いるのか?

 

 自分は今までずっと「島村卯月は空虚である」「自己の目的意識がない」「だから現状を維持することに固執し変化を恐れている」と解釈してきた。

 21話においても、概ね島村卯月の描写はその解釈に見合ったものだったと思う。

 お芝居のシーンでのセリフへの反応、動かない時計、未央と凛のキラキラした笑顔を祝福しようとしながら、ぎこちなさを増していく応援。

 そしてPの「笑顔です」に押し潰されてしまう笑顔の奥の感情。

 これまでの伏線・反復を駆使しながら、奈落に落ちるような急転直下ではなくジワジワジリジリ問題の深刻さを炙り出していく展開のなかで、島村卯月の「空っぽである」という本質はより明確に示されてきているように見える。

 しかし、自分はここにきて逆に不安を覚えてきた。

 具体的に説明するのが難しいんですが、たとえると「ダイの大冒険」でヒュンケルがミストバーンに虚空閃を決めた時の、

 

オ、オレは今恐ろしい想像をしている……今の今までミストバーンの力の根源は暗黒闘気にあると思っていたが、あの暗黒闘気は奴の本当の姿を覆い隠すベールに過ぎないのではないか……!?

 

 みたいな感じ。いや通じないと思いますが。

 と、とにかく21話の卯月の様子を見ていて自分は「この、いかにも中身がない空っぽに見える少女の奥底には、まだ誰も知らない怪物が潜んでいるのではないか?」といった、得体の知れない懸念を持った。

 その懸念の元が何なのかと考えてみると、「島村卯月は強過ぎる」んですね。

 今回、卯月は明らかに爆弾を抱えて誰よりも危うく描かれながら、その行動自体は何一つ間違ったことをしていない。たとえ自分自身に言い聞かせる為だとしても、凛を励ましたのも新たな門出を祝福したのも、Pの小日向美穂と組む提案に飛びついたのも、不安な心を反映してはいるのだが状況判断は何一つ間違ってない。

 常にPや、凛や、未央の望む「島村卯月」を一瞬で引き出して正しく導いている。しかも演技や計算は一切なしで、天然でやっている。

 この、島村卯月の天才性が何に由来するものなのかについて、それこそ自分は「空虚なので素直に相手の応援ができる」とかその程度に認識していたのだが、ここまでくるとちょっとそんなレベルじゃないよね、と思う。

 今回、あからさまに「島村卯月には何もない」ように描かれている。

 これがいつものブーメランの法則に当てはまるなら、島村卯月には「何かある」んだ。それは何だ? まったくわからない……!!

 少なくともこの先、卯月が「自分には何もない」ことを認めて、絶望して、そこから新しい何かを見つけるまでは既定路線だと思う。問題はそこから更に先、「その絶望を乗り越えて最高の笑顔を見せて、みんなの笑顔を繋げていく(スマイリング)」までに飛躍するその根拠!! ただ空虚なだけの少女が持っているはずがない「アイドル」なる可能性が島村卯月に宿っているその理由!! そんなものが、あるのか?

 そこまで考えたうえで、この物語は設計されているのか?

 最初から島村卯月の「何か」が世界の中心に棲んでいて、全てはそれを解き放つ為に用意されていたのだ、というような……。

 いや本当に、訳のわからない話にしかなってないんですが、それくらい今回の島村卯月は怖い。

 

・リアル「シンデレラプロジェクト」はすでにミッションを達成した

 

 いきなり大脱線しますが、アニメ「シンデレラガールズ」には他のアニメ作品とは次元の違うレベルでの重大なミッションがいくつか課せられていた。

 大きく分けると、

 

1・アイドルマスター十周年を盛り立て後続へのバトンを繋ぐことでバンダイナムコ基幹タイトルとしての地位を確立させる。

2・日本コロムビアの経営立て直しに貢献する。

3・「モバマス」本体のユーザー数回復と同時に「スターライトステージ」のスタートダッシュを成功させる。

 

 この三本柱。どれもガチで尋常ならざる金と人に影響を及ぼす重要案件で、失敗が許されないとかそういう以前に、こんな責任を一本のTVアニメに負わせるなよ!!……とプロジェクト自体の正気を疑いたくなる内容だったわけですが、恐ろしいことに現時点でこれらの案件はほぼパーフェクトに達成された。おめでとう!!

 1に関しては西武ドーム2DAYSで約十万人を動員した10thライブへの貢献と、「ミリオンライブ」「SideM」への橋渡しをする目処も立ったことでクリア。

 2は八月の四半期報告での黒字転換発表に続き、(謎の三ヶ月のおかげもあって)上半期で「一億円の赤字予想から二億八千万の黒字に転換」とのニュースが報じられてクリア。

 3もiOS版に先駆け配信開始されたAndroid版「スターライトステージ」が大きなトラブルもなく順調に滑り出したことでまずクリア。

 そして、この三本柱が達成されたことが何を意味するかというと、

 

もう、アニメがたとえ最後にズッコケたとしても別に問題ない!!

 

 という、ある種の無敵状態に突入したってことです。

 もうアニメで何をしても別に構わない。アイマスにはミリオンライブとSideMが控えているし、コロムビアもCD売れてるし恐らくスターライトステージ関連で版権なり新曲なりもあるだろうし、ファンにしても「スターライトステージ」のコミュモードが予想以上に濃密なようで、そっちで物語を補完できるならアニメが多少やらかしたとしても許容範囲は広がるだろう。困るのはA-1とアニプレックスくらいだと思うが、そっちはそっちで他に抱えているタイトルが山ほどあるので致命的な問題ない。

 もう、本当に、誰に気兼ねすることもない!!

 ビジネス上の責任は果たしたからあとは好きにやっちゃっていい!!

 窮屈なプロジェクトなんか飛び出して冒険してしまえ!!

 もちろん、今から大枠を変えるのは物理的に不可能だしても、今まさにスタッフは最終回に向けて追い込みの真っ最中のはずで、そこでリミッターが解除されるのは何というかヤバい意味でワクワクが止まらない。

 誰も付いてこられないくらい凄いところまで、階段を登っていっちゃってもいいんですよ……!!

 

 とか何とかで、本編に関することにほとんど言及できてないんですがあまりに散漫になってきたので色々削ってます。また終わらないので一旦切って落ち着こう。