（ＴＶＫ）京四郎と永遠の空 ＃１２（終）

京四郎と永遠の空 第ニ巻　(初回生産限定版) [DVD]
京四郎と永遠の空 ドラマCD「天使たちの協奏曲」
空の力によって世界の崩壊は免れ他の絶対天使も助かったものの、
空は消滅してしまう。そして京四郎とせつなは空を探す旅に出た。
カズヤ兄さんの最後も絶対天使の暴走もあっさりと終わらせて、
京四郎と空の別れの場面にたっぷりと尺を注いだ最終回。
何で空が一人で消えるのかといった状況説明もそこそこだったので、
どうしてこんなことになっているのか良くわからないのだが、
しかし二人の愛の確認と甘く切ない別れの演出が素晴らしく、
良くわからないままに力技で押し切られてしまった・・・。
あの、平時ならば鼻に付く空の喋り方が、
この瀬戸際においては儚げなイメージを出す方向に作用していて、
矢作紗友里のポテンシャルの高さが感じられたなー。
背中越しに指切り、振り向いた瞬間に消滅といった、
これでもかという様式美的シチュエーションには、
この作品らしさというものが存分に詰まっていたようにも思う。
最終的に、せつなの成長を見せることで間接的に
絶対天使や王子様といったものに代表される
枠に嵌められる宿命を超えていくというテーマが
きれいに表現されていたのも見事だった。
そのわりに、オチで京四郎は王子様になってるんだけど・・・。
あのオチはどうなんだろうなぁ、再会シーンが描かれて
安心はしたけど話的には蛇足だったような。
というか、一体どれだけの歳の差が出来てんだよ？
京四郎すっかりロリか？　それともあの瞬間イメージではなく
本当に空は超成長して元の姿まで育ったの？

全体としては、散発的に楽しめる部分は多かったのだが、
物語そのものの吸引力が弱く、他の介錯原作アニメと比べても
キャラではくるみやワるきゅーレに及ばず、
話では神無月や永久アリスに及ばなかったように思う。
介錯キャラ総登場という最初の触れ込みも肩透かしで、
もっとクロスオーバーネタがあればと残念な気分。
ただ、過度に様式化された設定や演出など、
独特の美意識に彩られた作品路線は、
まだまだ伸びていく余地があるはずなので、
監督以下スタッフには可能性を追求していって欲しい。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。