DARKER THAN BLACK黒の契約者 ＃２５（終）

DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 6 (完全生産限定) [DVD]
黒の能力は妹の白のそれを取り込んだもので、
実は黒自身は契約者ではなく普通の人間だった。
そんな黒に東京と契約者達の命運は委ねられるが、
黒は自分の過酷な未来と引き換えに東京と契約者を守る決断をする。
未咲はそんな彼の正体を知りながら、
どこかへ消えた彼と組織の真実を追い続ける・・・。
というわけで、ゲートって何だよとか契約者はどうして生まれたのかといった
マクロな謎はまったくの投げっぱなしで終わったものの、
代わりに黒が自分らしく生きる決意をするというミクロな視点でのテーマは
一応きれいに片づけられた最終回となった。
結局、ゲートや契約者といった設定は世界観構築の為のもので、
テーマ的にもストーリー的にもあまり深くは突っ込まれなかったなぁ。
まあ、それくらいのユルさがこの作品には似合っていたのかも知れないが。
黒の能力は借り物なんで、対価は必要なかったってことなのかな？
その過酷な運命があなたの対価、みたいな上手いことを言って
誰か強引まとめてくれても良かったのに・・・。
死んだ仲間や契約者達が黒を励ますシーンはベタだが燃えた。
銀と一緒に生き残ったことを匂わせるラストも期待通りで良かったし、
爆発的なカタルシスはないもののじんわりと胸にくる終わり方だったと思う。

前にも書いたが、正直当初はクールアニメを気取って失敗するという
よくあるパターンに陥るに違いないと踏んでいた。
実際、最初の３エピソードくらいは結構冷めた眼で観ていたのだが、
探偵コンビ登場の辺りから脚本・演出・キャラ描写と
あらゆる点でバリエーションが非常に豊富になってきて、
作品の楽しみ方が一気に拡大していったのは驚きだった。
途中から完全にクールどころかダークでもブラックでもない
ドタバタスパイアクションになってきたからなー。
猫と黄が魅力を発揮し始めてからは特に良かった。
若年層をピンポイントで狙った作品ではなく、
もっとオールレンジな作品に育っていったのは
当初からの狙いだったのか偶然なのかはわからないが、見事だった。
岡村天斎もボンズも、狙えば狙うほど外す印象があるので、
もしナチュラルやってに成功したのなら
やはり片肘張らずに作るのが一番良いってことなんだろうなぁ。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。