（新）墓場鬼太郎 ＃１

　モノノケダンス
ゲゲゲの鬼太郎の原点となる「最初の鬼太郎作品」を初アニメ化。
一体どんな雰囲気になるのかと思ったら、ＯＰが電気グルーヴの歌に乗せて
原作マンガを繋いで見せていくという意外な攻め方をしていてまず驚く。
おどろおどろしいものがくるかと身構えていたので逆に衝撃的だった・・・。
本編は、映像的には「怪」「モノノ怪」で積み重ねてきた効果を
この作品に合わせてチューンナップしたという印象。
リアル調と水木マンガ調の絵柄が同居する絵作りは面白い。
不気味さは強いが、ちゃんと可愛さや素朴さが残っていて、
予想以上に取っつきが良い。この辺のバランスはノイタミナらしいなぁ。
目玉親父なんてリアル風なのに目玉のおやじ以外の何者でもない、
元のデザインが抜群に優れているのもあるのだろうが・・・。
鬼太郎誕生の物語と、それがもたらすダークな話に関しては、
そこから教訓めいたものを読み取るといった内容ではなく、
本当にただ雰囲気を楽しむべきものという感じ。
鬼太郎も目玉親父も腹黒いわけではなく、
本当に人間と感覚が違う別の存在なのだという点が強調されている。
自分を育ててくれた男に対してまったく何の感慨も持っていないのだが、
それはあくまで鬼太郎が人間じゃないからで、そこには善も悪もない。
今後の話ではまた立ち位置が変わるのかも知れないけど、
そういう超然とした存在感が人間側に寄ったゲゲゲの鬼太郎とは
本質的に違って、クールで非常にカッコ良い。
それと、やっぱり野沢雅子の鬼太郎には凄味がある。
奥に野性の怖さが感じられるというか・・・。
ともかく、見どころは多彩、色々と楽しませてもらえそう。
ただ一つ言うなら、左上の宣伝テロップは今回だけにして欲しい・・・。