（ＴＶＫ）PERSONA-trinity soul- ＃２６（終）

ペルソナ~トリニティ・ソウル~ Vol.6 【完全生産限定版】 [DVD]
悲劇を二度と繰り返さない為に全てのペルソナを消滅させ、
洵と妹を連れてクジラと一つになろうとする兄貴。
だが慎はそれを止め、兄貴と洵をこの世界へと引き戻す。
しかし、兄貴と妹の魂はすでにそこにはなかった・・・。
神郷兄弟の物語の帰結、という点に集約された最終回。
そのせいで拓朗やめぐみが割りを食ってしまっているのだが、
この作品の核は何かと考えれば正しい判断だったのだろうと思う。
まあ、最後まで真田が役立たずだったのには驚いたけど。
慎が具体的に何を想って兄貴とは違う選択をしたのか、
兄貴は本当のところは何を願って慎に託していったのか、
一番肝心な部分は敢えて語らないという演出は今まで通りで、
そのせいで多少すっきりしない印象は残るのだが、
そのぶん多様な解釈も出来て余韻のある終わり方にはなっていたかな。
兄弟が去った家の様子をＥＤテーマに合わせて
じっくり見せていくという地味にもほどがあるラストシーンを
敢えて選んだところにスタッフのこだわりが感じられたなぁ・・・。
妹と別れた洵が完全に男っぽい喋りになっているという演出が心憎い。
全体としても、雰囲気重視な演出と人間ドラマの丁寧さには
本当に魅力がある作品だった。
しかしその一方で、ペルソナを使ったアクションがウリとして
まったく機能していなかったり、ストーリー展開に歩みの遅さや
解釈を視聴者に委ね過ぎてわかりにくい部分があったりと、
上手くいっていない要素も目につくことが多かった。
ただ、そういう長所と短所がはっきり分かれて不格好になっている感じが、
作品の青春テイストとは良く合っていたような気もする。
ゲームを原作としながらオリジナルとして仕上げるという
難しい企画に対して果敢に挑んで一定の結果は出したのではないかと。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。