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コードギアス 反逆のルルーシュR2 #25(終)

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「なあスザク、願いとはギアスに似ていないか」


人の願い、一人ではとても叶えられない呪いにも似た切実な想い、
他人を縛り孤独を招きそれでも誰もが求めてやまない力、
それに翻弄され続けた少年は、最期の時にそれを肯定し世界へと還す。
反逆のルルーシュ、その終わりの瞬間を確かに描き切った最終回。
全ての悪の象徴となったうえで死ぬ・・・というのは
誰もが考えていた通りの最期の形ではあったのだろうけど、
あれほどまでに己の心を隠し通して、嘘をつき貫いて、
更にはスザクを悪のルルーシュと対比される正義のゼロへと仕立て上げて、
芝居をやり抜いて消えていったその姿には本当に震えがくるようだった。
ここまでやられるともう何も言えなくなってしまう・・・。
とにかくこのルルーシュの死に様さえ、
そこに至る生き様さえ描き切ることが出来れば
この作品は絶対に間違うことはないと確信を持って描いていたのが
ひしひしと伝わってくる恐ろしい演出力を感じるシーンになっていたなぁ。
元々この作品はあらゆる要素を漏れなくぶち込む豪華さがウリだったものの、
特にR2になってからはあまりにも手が広がり過ぎてしまい
収拾が付かなくなっているような面が目立っていたのだが、
最期の最期にきて敢えてルルーシュ以外捨てたのが凄い!!
スザクの存在も他のキャラの動向も世界の行く末さえも、
ルルーシュという少年の命の輝きを見せることの前には霞む。
正直、ここに辿り着くまでは脚本構成的に技法頼みの無茶が多過ぎて
あまり上手くいっているようにも見えなかったのだが、
この落としどころへの信頼がそれでも物語を駆動させ続けていたのかな・・・。
大多数の視聴者も個別のキャラ萌えや世界設定への深読みなど、
豪華に用意されたオマケをそれぞれ楽しんでいたつもりが、
いつの間にか主食のルルーシュの人生への興味を一番の動機として
この作品と付き合うことになっていたようにも思うし。
とにかく、ルルーシュというキャラの強度と存在感を
死して改めて心から感じさせてくれる良い終わり方だった。
だから散っても寂しくはあれど哀しくはない・・・と思いたい。
一応他の要素についてもフォロー的に考えておくと、
世界情勢についてはシンプルにナナリー達に受け継がれた形だが、
そもそも超合集国も世界最大の軍事組織黒の騎士団も
貴族を排して改革されたブリタニアルルーシュが作ったものなので、
当然それらが寄り添った場合の未来予想図は持っていたのだろうなー。
まさか扇が日本国首相になるとまでは予想してなかったと思うけど・・・。
つーか良いのかよ日本国民、そいつブリタニアのスパイ孕ませるような男だぞ!!
ナナリーはゼロスザクとその下僕になったシュナイゼルがいれば問題なさそうか。
ただ、あんなエロコス拘束姿でいた二ヶ月間の事情が気になる。
コーネリアは一線退いて幸せに暮らしているのかな?
大体のキャラのその後は玉城の店と扇の結婚式写真から推察出来るが、
ジノとカレンは上手くいってると見て良さそうか。
ジノは結局、カレンを助ける王子様ポジションになっていておいしかった。
しかしカレンはどうやって学校に戻ったんだろう。
フレイヤやら何やらでまた生徒も入れ替わったんで問題ないとか?
「平和な日常」を象徴するにはパンをくわえて遅刻遅刻だ!!・・・という
ベタを外さないエンタメ精神がこんな土壇場に機能していたのには感心。
星刻は写真にいないのでさすがに死んだと考えるべきだろうか?
その魂は神虎に残って天子達を見守り続けてはいるのだろうが・・・。
藤堂さんは気合いが足りなかったおかげで生き延びてしまった。
千葉とはもう結婚してるっぽい? リヴァルはニーナなのかミレイなのかと
思っていたら何か横に第三の選択肢が現れているよーな・・・。
ロイド達は相変わらずなのかなぁ、ラクシャータとの因縁を
ケンカなんて些細なことから始まるという教訓話にして
何か適当にごまかしていたが真相は一体何だったんだろう・・・。
オレンジとアーニャのオレンジ畑はさすがにエンタメ精神も
そこまでいくとやり過ぎじゃないのかと驚愕!!
オレンジは咲世子さんともフラグ立ってたのに結局ロリ優先か。
第一期から続いて最終回で異様な大活躍を見せた挙句に、
ルルーシュの仲間として憎悪を一身に浴びても仕方のない立場で
あんな平和を得ているなんてどこまで勝ち組なんだオレンジ・・・。
神楽耶はC.C.に褒めてもらっていたが、何でC.C.があの段階で
そんな言葉をかけたのかについては色々と考えさせられる。
ルルーシュの本質を、やはりみんなに知っておいて欲しかったのか・・・。
そしてC.C.の笑顔とルルーシュへの言葉、折り鶴によって幕は引かれる。
あの言葉は天国ともCの世界とも、はたまた実は生存している
ルルーシュに向けているとも妄想させる絶妙な雰囲気だった。
折り鶴についても願い=ギアスの象徴という以外にも意味ありそうだし。
ただ、ここは素直にルルーシュはみんなの願いと心のなかにいると
受け取っておくのが一番良いような気もする・・・。


第一期から続くこの作品の総括については、
終わりは良かったもののやはりR2になってからの複雑さと
若干の不安定さはどうにも無視出来ないレベルだったように思う。
単純明快なエンタメとしての要素を最大限確保しようとはしていたので、
ギリギリでバランスは取れていたが、ロボットに喩えると
恐ろしく大火力で巨大な機体にゴテゴテとブースター付けまくって
無理矢理バランス取って飛ばしてるようなピーキーさが感じられてならなかった。
まあ、その無茶なカスタム具合が個人的に凄く面白くもあったし、
そんなものを飛ばし切った監督の腕には疑問の余地もないわけだけど・・・。。
ただ谷口監督に限らず他のスタッフも今回は本当に全て出し切った感があるので、
次にどう繋げていくのかはさっぱりわからないなぁ・・・。
悪を演じることによって世界に安定をもたらすという思想とその欺瞞については
ガンダム00」が偶然か必然か引き継ぐことになるんだろうし、
一方でそんな世界における正義の在り方については
鉄のラインバレル」が少し持っていくことになりそうではある。
この作品が取り組んだものはあまりにも複雑過ぎて
単体では結局どうにも出来なかった限界も露呈させていたのだが、
その代わり悪の皇帝だか正義の仮面だかはわからないが象徴と化して、
今後の作品へと願いを継承させていく流れが生まれてくれると嬉しい。
ともかく、内容だけでなく商業的にもシステム的にも、
賛否はあれど非常に意義深い作品だったことは間違いない。
本当に色々とあったけどそれも含めて存分に楽しませてもらった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。