魍魎の匣 #12
魍魎の匣 第三巻 [DVD]
全てを終わらせる黒衣の男が、匣の中へと入り込む。
冒頭の「目眩」の再現シーンが再び原作ファンには
興奮ものの描写になっていたのだが、
最後に出てきた黒衣の男の声が京極堂じゃない。
あれ、誰だこれ・・・って京極堂どころか京極夏彦かっ!!
京極堂を小説の登場人物に変えた黒衣の男を、原作小説の作者が演じる。
これは何という転倒。匣の中でぐるぐる廻るメタとネタ・・・。
しかし京極夏彦もゲストで声優出演するたびに
普通に演技力が上がっていってて驚かされるなぁ。
本当に、恐ろしい小説家だ・・・。
ともかく本編は京極堂の降臨で謎解きならぬ憑物落とし展開に突入。
頼子が加菜子を突き落とした理由やそのあと関口の小説を読んで
架空の目撃情報を作り上げた辺りの説明は
過去回想が高速で進んでいくので少しわかりにくかったが、
一気にこれまでの謎が解体されていく快感は充分に味わえた。
そして匣の真実が明かされていくラスト付近の緊張感も見事。
あの、今まで普通に見ていた景色が突然、
ひどくおぞましいものに変わっていく感覚はやはり凄い。
ただ、もっとビジュアル的に迫ってくるような表現があっても
良かった気はするなぁ。目だけではどうもインパクトに欠くし。
そこはまあ、最終回がどうなるかに期待。