黒執事II ＃１２（終）

悪魔執事対決の果て、待っていたのは闇よりも深く暗い業に囚われた未来・・・。
最終回、錯綜していた人間関係と第一期から引き継いだ設定をどうまとめるのかが見物だったが・・・確かに、確かにこれは素晴らしく上手いことまとまってるけど、ヒドい話だ！！
シエルとセバスチャンの関係という一番大きな部分について、これほど明快でどうしようもない結末を持ってくるとはアニメスタッフ恐るべし。しかもこの悪夢のようなシエルとセバスチャンの状態、他の誰でもないファンが望んだ最高の形になっているところがまた悪意に満ちていて凄いなぁ。
考えれば考えるほど、なるほどこれ以上の落としどころはないと深く納得してしまうのだが、それにしたってよくぞここまでエグいオチを用意したものだ・・・。ラストのセバスチャンのセリフにおける小野大輔の絶妙なニュアンスったら！！
作画演出に関しても第二期の集大成に相応しい、スタイリッシュかつエキセントリックなアクションと耽美で退廃的な情景が同居する完成度の高いものになっていて見事だった。
クロードもハンナも後半に進むに従って加速度的にキャラが立っていく構図になっていたので、その最期の姿が自然と最大の見せ場になっていたように思う。
終わってみれば、１クールという短い期間を上手く使った構成になっていたということなんだろうな。
全体的には第一期と比較してより特異な美意識に彩られた作品に仕上がっていた印象。
確かに原作は大切にされているんだけど、極端な芝居作画やダジャレゼリフなど独自の方向にぶっ飛んだ要素がどんどん増殖していくのが非常に楽しかった。
ただ、最後はきれいにまとまったとはいえ、やはり続編としては旧キャラの出番が少なかったり延々と事後処理をしているような感覚があったのは気になった。
使用人組とか、ただリストラされなかっただけだったからなぁ・・・。締めの提供絵がタナカさんだったのはせめてものサービスか。
この終わり方なら第三期も不可能ではなさそうだが、これ以上やっても脱線に脱線を重ねていくだけだろうし、難しいところ。
とりあえず、スタッフの皆様、お疲れ様でした。