魔法少女まどか☆マギカ ＃８

赤道上、東経124度地点上空、静止衛星軌道、インキュベイターの特異障壁。
ワルプルギスの夜、インキュベイターの生まれた時、地獄の日々の終わり、災厄の始まり。
インキュベイター。少女に不当な運命をもたらすべく淫獣にうがたれた孔。
キュゥべえ。絶望と憧着を買い入れ、救済と無限を売りさばく巨大組織。
魔法少女。再来した魔女を迎えるキュゥべえのか細い腕。
2011年まどかマギカ、災厄の訪れを約束されたアニメ。
ウロブチ・・・一切の起源。
シンボウ・・・全てを繋ぐもの。
アオキウメ・・・終局へのただひとつの鍵。

ウイルーーース。

・・・と、インキュベイターと聞いた瞬間にきっとネット上では「VIRUS」ネタ満載なんだろうなーとワクワクしていたのに検索しても全然出てこないんで思わず調べて書いた。
っていうか今回ネタバレ回避しているつもりだったのにそういえば木曜深夜のグーグル検索急上昇ワードにインキュベーター入ってたわ。まさかこの作品のネタバレだとは思わなかったが。
ともかくついに青が地獄変を起こして魔法少女から魔女へと転落してしまう話。
魔法少女が魔女になるのも青が魔女堕ちするのも大方の予想通りだったはずなのだが、それでも容赦のない追い込み演出と有無を言わせぬ緊迫した構成で視聴者に息つく暇を与えないのは凄い。
特にさやかがついにまどかに当り散らす前半のシーンは喜多村英梨が本当に素晴らしくてゾクっとした。
飛田＆ミキシンな鬼畜ホストにキレるところは唐突な印象もあったけど、最後の一押しをするのが上條や緑ではなく「世間の悪意」なのは少女には厳しい現実ってものを感じさせていて話に幅を持たせるには上手かった。
あと、キュゥべえさん蜂の巣にしたほむらがまどかに本音らしきものを吐露するシーンも、抑えに抑えていたものが溢れ出す様子を斎藤千和が絶妙に演じていてこれまた痺れたなぁ。
それにしてもキュゥべえ、一体どこまでグロいバケモノになっていくんだろう？　色々企んでいるようで実は結構行き当たりばったりっぽいのがむしろ妖怪チックで嫌らしい。
まどかの神にも悪魔にもなれる異常な才能が明確化されたことで、物語はまどかの決断をどこに持っていくかという方向で固まりつつあるようだが、これってテーマ的には2000年代の総括とその先が視野に入ってくるのかな。
シャフト＆虚淵玄がその辺にいい加減ケリつけようとしているのだとすると、それこそ意外なタマゴから意外な何かが孵化しそうな期待感はある。