放浪息子 ＃１０

二鳥女装登校事件によって全てが変わってしまった世界で、時間だけが容赦なく流れ去る。
今までじっくりやってきた反動もあって、あれよあれよと季節が変わっていってしまう様子には何だかゾッとするものを感じた。
これだけ何もかも変わってしまったのに、表面上はいつもの緩やかな雰囲気が保たれているのも逆に残酷で観ていて気が重かったなぁ・・・。
姉の反応や彼氏への想い、事件を聞いた安那ちゃんの率直な感情、クラス連中のあくまで大した悪意など持ち合わせていない浮かれた感じなど、周囲の人間模様も秀逸。
あの家族会議や保健室登校や教室締め出しを、日常のニュアンスを崩さずに描いているのは派手なKOパンチよりボディブローの方がエグいってことを良くわかってる作りだったな。
そして土居！！　アニメだけだとつい数話前にいきなり出てきたような扱いだったのに、もはや完全に二鳥との報われぬ恋に悩むもう一人の主人公！！
基本的にはムカつく奴のはずなのに、その心の内側を想像すればするほどいたたまれなくなってくる・・・！！　この土居のキャラ表現のさじ加減は絶妙というほかない。
しかし、予告からするとこれ最終回も土居との関係で締めることになるんだろーか？
髪も伸びていよいよ声変わりしそうな二鳥の見せ方もどうなるのか、楽しみなような怖いような・・・。