へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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(新)輪るピングドラム #1

DEAR FUTURE
奇才・幾原邦彦がついにTVアニメ監督に復帰。
監督&脚本:幾原邦彦、キャラ原案:星野リリィ、キャラデザ:西位輝実、制作:ブレインズ・ベース。
サイケデリック寸前の色彩感覚、シュール間際の脚本展開、タブーを犯しそうな各種設定、どれもこれも幾原色に塗り込まれ訳のわからないものになりそう・・・なのにわかりやすい!!
色彩はサイケ寸前なのにカラフルで可愛いし、脚本は色々シュールなのに突っ込みやキャラの対応が常識的で理解の外にははみ出さないし、兄と妹の恋愛劇も「生存戦略」という遺伝子的なワードを入れることで視野を広げて間口を確保している。
何というか、これはバランス感覚というよりも幾原監督が自分の個性を見極めたうえでそれこそ戦略的にバランスを技術構築している印象を受けるなぁ。セラムンウテナの様式を入れ込みながら凄く現代的なものとして気を遣われている。
これだけ「変」なイメージを与えながら、完成度はずば抜けて高いのが恐ろしい・・・。
で、こんな世界観を構築して実際問題何をやろうとしているのかというと、これはさすがにまだ見えてこない。
ただ生存戦略、双子の兄と一人の妹、何者にもなれないお前達といった提示されたテーマはどんな方向に広がっていってもおかしくないので本当に先の読めないことになりそう。これで2クールやるってのも謎だ・・・。
それと個人的に一番気になっているのが、主演の双子の兄に木村昴と木村良平のW木村を投入していること。
だって、ジャイアンと全裸王子だぜ!! ここ数年の新人のなかでこれほど明確に「男」のアーキタイプを演じてきた男性声優はいないわけで、どう考えても単に声質や演技力で選んだ配役じゃない。
そもそも幾原作品ってこれまでは少女性をメインに据えていて男は敵というか障害というか、少なくとも話の本題にはなっていなかった。
兄妹の恋愛というと「ウテナ」のアンシーのやつが真っ先に思い浮かぶけど、あれ兄貴結局ただのゲスだったし。
それがどうも今回、兄の視点を大事にして描きそうな流れになっていて、こうなるとつまりこれ幾原邦彦による「男」の話になるのかと色々期待してしまう。
ついに禁断の扉が開けられようとしているのか・・・?