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【デレマス考】アイマス シンデレラガールズ第二期キービジュアルで花京院は何を伝えたかったのか?(その2)

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  その2・『夢』の真実

違う スタンドの夢じゃあなくて 夢のスタンドなんだ!!

――わからんやつだなッ!!!!

 

 その1から時が経ち、ついに2ndシーズン放送まで一週間を切ってしまいました。

 七夕ニコ生で公開された2ndシーズンPVにはキービジュアルに続いて様々に思わせぶりな伏線が仕込まれていますが、とりあえず「NewGenerationsの背後の時計だけ鏡写しで反転している」という描写に、その1で考察した内容はそれほど的外れではなかったらしいと胸を撫で下ろした次第。

 しかし、あれはあれであまりに露骨なので罠なのではないか……いやいや、そんなこと言い出したらもう全部罠なんですけどねこの作品。

 

 ともかく本日はニコ生で1stシーズン全13話一挙放送、月曜にはニコ生で13話再放送、更には東京MX・BS11では毎週土曜のゴールデンタイムに1stシーズン再放送中と、今からでも追いつくのは非常に容易ですので、みんな沼に沈め。

 

 で、今回の考察内容は「島村卯月から伸びる時計の針」について。

 これに関しては大方の見解は一致しており、

 

 

卯月の挫折によるチーム崩壊の暗示

 

凛の真上が破壊され針がアーチを突き抜けていることから凛のチーム脱退の暗示

 

 そして「VII(7)」の手前が破壊されていることから、それが起こるのは未央の挫折が描かれた「6話」に相当する「19話」ではないか? とするのが素直な読みとなるでしょう。

 

 しかしここで本当に重要なのは、何で卯月と凛にそのような挫折の予感が漂うのか、です。

 これは元々の原作ゲームからの設定に拠る部分とアニメ1stシーズンで積み上げられてきた問題が絡み合って存在する為、少し分けて考える必要があります。

 

 まず凛に関しては話はわりと単純で、

  • 原作の凛は「トライアドプリムス」という超人気ユニットに所属している。
  • そのメンバーである神谷奈緒と北条加蓮がいかにも意味ありげに13話に登場している。
  • 凛の本来の属性はCoolであり、それを活かせるのはNGsよりトライアドである。
  • そして1stシーズンのNGsは決して「凛の魅力を最大限引き出している」ようには描かれていない。(むしろ過度に可愛い系の衣装と曲で、いかにも「のちに歌姫としてブレイクするアイドルの黒歴史的なデビュー姿」のように周到に印象付けられている) 

 

 これだけ準備されていれば、そりゃあトライアド移籍展開を覚悟しない方がおかしい。

 だが、凛についてはそれでいい。そこで描かれるであろうドラマも、辛く苦しいものではあるだろうが非常にアイドルものらしい熱い内容になるはずだ。

 ようやく手に入れた温かい居場所を優先するのか、そこを飛び出して更なる高みを目指すのか、『夢』への在り方が問われる王道のシンデレラストーリー。

 

 さて、その一方で島村卯月。

 凛の問題と連動して苦難に向き合う流れが予想されるわけですが……この娘は本当に、一体どうなってしまうのか想像するだに恐怖しかない!!

 卯月の抱えている問題、それらに関する伏線は極めてややこしいことになっているのでこれもシンプルに箇条書きさせてもらうと。

  • そもそも「島村卯月」は元々、中身のない虚無的な存在である。
  • 原作ゲーム開発時に「本家の天海春香に相当するセンターキャラがいないとまとまらない」という理由で生み出された存在なので、基本設定からして天海春香の2Pキャラ状態で始まっている。
  • その後「ガンバリマスロボ」、「ブルマ&エヘ顔ダブルピース」、「おみくじで吉しか引かない普通力」、「ド天然で微妙にS気質」、「中の人からの逆輸入要素(汚部屋はNG)」などなどでひたすらキャラ強化を図られていくのだが。
  • それだけやってなお、二人三脚で歩んできた大橋彩香に「じまむらざんはぁ、あの、ぁの、グルグルした黒目でぇ、ぢょっど何がんがえでるがわがらないところがあるんでずよね~、えへへぇ~」などと言われてしまっていた(セリフは筆者の記憶によるものです)。
  • そんな大橋彩香が、アニメが開始されてから各種インタビューで一気に「島村卯月がどんな女の子なのかようやく理解できるようになった」と言い出した。

 

 ええと、長いのでここで一旦整理させてもらいますと。

 

島村卯月には元々、固有の「ストーリー」が存在しない

 

 というのがまずあります。

 先ほど上げたように、渋谷凛なら「トップアイドルを目指して走り出し、NGsやトライアドに所属しながら自分を磨き第三回のシンデレラガールに」といったストーリーが原作ゲームの段階ですでに積み上げられている。

 本田未央なら「遅れてやってきて不人気と嘲られながらも必死でNGsの一員として頑張って、ミツボシという最強曲を得て大ブレイク」であるとか、神崎蘭子なら「最初は中二病を面白がられるだけのネタ枠だったのがどんどん本気で可愛くなっていって、素直な面も見せられるように」だとか、とにかく他のキャラ達は多かれ少なかれアニメ以前にドラマの仕込みが終わってるんですね。

 原作になかったラブライカや*(アスタリスク)であっても、新田美波とアナスタシア、前川みくと多田李衣菜のキャラを丁寧に紐解いていけばそうなるという納得感は充分にある。だからこそ普通なら原作ファンから反発を買ってもおかしくないオリジナルユニットがこれだけ違和感なく受け入れられているわけです。

 

 繰り返しますが、島村卯月にはそういうのがない。

 ニュージェネレーションズというユニットもあるし、他のキャラと同様……どころかカードやイベントやドラマCDでのテキストは他を圧倒する分量であるにもかかわらず、二年以上演じてきた段階の大橋彩香をして「よくわからない」と言わしめてしまう、それが島村卯月というアイドルが背負った闇の宿命なのです。

 

 その理由は、最初にあるように「島村卯月は天海春香のコピー」だから。

 その「灰かぶりな生まれの不幸」を覆し、自分自身のストーリーを獲得しない限りはどんなに「頑張ります!!」と言い続けても彼女は幸せになれないのです。

 

 では、具体的にどうする?

 アニメでどうやって島村卯月にその「生まれ」を克服させればいいのか?

 それはもう、

 

天海春香と同じことをして、天海春香とは違う答えを出す!!

 

 以外にはあり得ない。

 実は、ここで「その1」で語った「鏡写しの構成」にも関連する非常に大きなアニメ「シンデレラガールズ」の構造的な仕掛けが浮き彫りになってくる。

 それは何故、「シンデレラガールズ」が執拗に「TVアニメ版アイドルマスター」(以下アニマス)を模倣しているのかという点だ。

 当初はアイマスファン(特にシンデレラに興味のない765P)に向けた「くすぐり」であるとか、高雄監督の「韻を踏む」演出作法ゆえのことだとか考えていたのだが、島村卯月の問題を見た時に実はそれが絶対に必要不可欠な仕掛けだったことがわかる。

 

島村卯月が真実の自分と向き合う為には「アニマスの天海春香」という鏡を前にする必要があるのだ。

 

 そして、島村卯月のシンデレラストーリーを描かなければ、「シンデレラガールズ」は「シンデレラガールズ」という実体を永遠に掴めない。

 

 ファンサービスだとかユルい世界観の繋がりだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいアイマスの片鱗を味わったぜ……!!

 

 って部長も言ってる。

 そしてここから、ここからがようやっと本題なのだが。

 これも長いしややこしいので箇条書きにする。

 

島村卯月と鏡合わせにされる「天海春香問題」とは何か?

  • 一言で言えば「Pにプロデュースされてない問題」である。
  • アニマスにおいて赤羽根Pは春香以外の765アイドルに対しては個別に(亜美だけ少し微妙だが)アドバイスを行い直接導きを与えているのだが、春香に関しては逆に「Pの方が励まされるばかり」になってしまっている。(この関係性は「ミリオンライブ!」内で本日更新されたNOMAKE+13話でも改めて描かれている)
  • その象徴が「お菓子や財布といった春香からのプレゼント」。
  • そして、春香がいよいよ壁にぶち当たりPの助けが必要とされた時、あろうことか赤羽根Pは奈落へ落ちる!!
  • 結果、24話「夢」(絵コンテ演出・高雄統子)において春香はプッツンしてしまい、そのうえPどころか765の仲間の助けも借りずに自力復活してしまう。
  • これはアニマス(どころか全アイドルアニメの歴史上でも)最大の謎展開であり、正直なところ筆者は当時も今も何でこんな展開が起こったのか真意を測りかねている。
  • 更に劇場版「輝きの向こう側へ!」においても、Pが春香の直接の助けになれない展開が反復される。
  • 劇場版でもPはダンサー組の765所属をサポートしたり裏方としては非常に頼りになる存在として描かれながら、肝心の春香の苦悩については信頼のもとにノータッチを貫き、ハリウッドへと旅立っていく。

 

 アニマスにおけるPと春香のこの奇妙な関係性について、一番わかりやすい考え方としては「エースをねらえ!」のような「コーチ/師匠/先生」と「弟子/生徒」のスポ根の師弟関係を当てはめることだとは思う。

 実際、赤羽根Pは「女子校の新任教師」のイメージで造形されているので、二人の関係が恋愛どころか直接の対話コミュニケーションも挟まず、顧問の先生と部長といった社会的な立場を軸にしたものにテーマ収束されていくのは、まあ、わかる。

 わかるんだけど、

 

これはアイドルアニメであってスポ根部活ものでも擬似家族ものでも、ましてや765プロ一家による任侠ものでもなかったはずなのだ。

 

 完全に劇場版の765プロ、グレン団みたいになってるし!!

 おかげで最終的に、「普通の女の子」だったはずの天海春香は悟りを開いたアイドル神の如き境地にまで到達してしまい、アニマスは神話めいた気配すら帯びて一旦の幕を引いた。

 それは尊く稀有なことであるし、作品としては素晴らしかった。

 他のアイドルアニメの顛末をいくつか引き合いに出しても、アイドルの物語が神話化を免れ得ないものであることも事実だろう。

 しかし、それにしても。

 

春香さんが可哀想じゃないか。

 

 とは、思う。

 そしてたぶん、スタッフもそうは思っていた。劇場版後半、春香さんの苦悩パートを担当した高雄統子はそれこそ強く思っていただろう。

 だから、島村卯月という天海春香の2Pキャラに。

 天海春香のもう一つの可能性に。

 

鏡に写った虚像の少女にもう一度『夢』を託してみたくなったのではないのか。

 

 つまり(何か話が虚実を行き来していて自分で書いていてもややこしいが)、島村卯月という虚像に実像を与える為には天海春香が必要で、天海春香の失ってしまった『夢』を取り戻す為には島村卯月の新たなストーリーが必要とされる。

 

 二人は相互補完の関係にある。

 

 そしてそれは「アニマス」と「シンデレラガールズ」の関係そのもの。

 だから、ようやくまとめに入りますが。

  • 島村卯月もまた「Pに本当にはプロデュースされていない」。
  • 武内Pは凛と未央とは7話で改めてプロデューサーとアイドルの関係性を再構築できたが、卯月には逆に「笑顔を与えられて」しまった。
  • 3話のライブ大成功も、武内Pの計画外のことだったのに感謝されてしまった。そういったすれ違いが1stシーズンの間ずっと続いている。
  • ゆえに、13話ラストで卯月だけが「夢みたいですね」と言う!!
  • 「夢じゃない!!」と他のメンバーは言える。卯月にだけ実感がない。だから崩壊が訪れたとしても、それは凛やトライアドや謎の女のせいではなく島村卯月自身の課題なのだ。
  • そこで武内Pの行動が問われる。また奈落へ落ちてしまうのか。今度こそ……があるのか。それは「輝き(Shine!!)の向こう側」を見なければわからない。

 

 端的に言えば、「シンデレラガールズ」とはPが普通の女の子をスカウトしてアイドルというシンデレラに育てていくストーリーであり、

 

武内Pによる島村卯月のスカウトはまだ完了していない。

 

 では次回その3は最終回。

 「本田未央の立ち位置と手を繋ぐ少女達について」。

 2ndシーズン放送前までに上がるかどうかは知らない。

 

 その3・『旅』の意味

だからこのゲームでこの花京院典明に精神的動揺による操作ミスは決してない! と思っていただこう! 

 To be continued…

 

 

 

 

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