（新）青い文学シリーズ ＃１

少年ジャンプ連載作家がカバーを描いた集英社文庫の古典文学シリーズを、
その表紙キャラのイメージを使ってアニメ化するという企画。
制作はマッドハウスで、六作品をそれぞれ気鋭のスタッフが手掛ける連作形式。
で、第一弾は言わずと知れた太宰治「人間失格」、
キャラ原案は小畑健、監督は浅香守生。そして主人公役を堺雅人が務める。
第一話は主人公の青年期からスタートし、偶然出会った人妻と心中するまで。
幼少期のエピソードを回想で入れていく以外は概ね原作に沿った展開だが、
特高からの逃亡や濡れ場、心中シーンの幻惑的な描写など
全体的にハイセンスにまとめられていてビジュアル面は充実している。
ただ小畑健キャラの魅力や意義はあまり出ていないようで、
むしろ映像的には「デスノート」よりも「魍魎の匣」の流れを強く感じる。
まあ魍魎がデスノ映像演出の発展系だったんだから当然なんだけど・・・。
堺雅人のモノローグを含めた演技はさすがに上手くて好印象。
ただ今後の諦観や絶望をどこまで出してくれるのかはまだ未知数か。
「人間失格」だけは他の作品よりも話数が多く四話やるらしいので、
ともかくじっくりと独自の演出を見守りたい。
あとは録画が裏番組優先なんで見逃さないよう気を付けないと・・・。