へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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へうげもの #39(終)

へうげもの Blu-ray BOX 1(Blu-ray Disc)
利休の介錯人を織部が務める最終回。
完全に史実をねじ曲げているっぽいのだが、「へうげもの」の物語としてはこれ以外ないという展開。
いきなりの利休無双も、最後の最後に利休というキャラへの愛と憧憬がこれでもかと溢れ出していて大笑いしながらも感動してしまった。
利休が無茶苦茶強いのも当時の平均を大きく超える体格や武将からの尊敬度合いを考えれば別に無理な解釈でもないんだよなー。
そういう歴史上の人物が持つ要素を広げていくイマジネーションの集大成としても利休無双は信長がくっつくのに匹敵するくらい面白かった。
利休が織部に「笑い」という本質を伝えるクライマックスも、何というか主客が転倒するような、今までサブだったものが実はメインだったんだと謳い上げるような痛快さがあったな。
そしてここで本当の意味で初めて主人公も利休から織部へと移っていくと・・・。
アニメはそこで終わるので結局全編通して主人公は利休だった印象になるけど、だからこそ多少不釣り合いな大河ドラマ的EDが用意されたってことなのかな。
織部への代替わりよりも消え行く利休を惜しむ感覚が強いのが興味深かった。
全体としても、原作の魅力を100%引き出すタイプのアニメだったかと言われるとたぶん違うのだが、真下耕一の個性に原作のニュアンスが加わることでひどく不思議なノリが生まれていて単体のアニメ作品として面白かった。
原作ではもっと崩しているのであろう箇所で崩さなかったり、それでも耐え切れず崩れてしまったり、演出のコントロールが効いているようで効いてない感じが結構あってそこが味になっていたと思う。
あとはとにかく田中信夫の名演が素晴らしかった!!
大倉孝二をはじめとする他の声優陣も総じて良かったんだけど、その中心にいる田中信夫の存在感と説得力は圧倒的だった。
調べたら御歳76歳、初代鉄腕アトムからアニメ出演してるんだよね・・・。そんな大御所がここにきて代表作とも言える役を演じ切ったのは驚嘆に値する。
OP変更騒動、原作が原案に変わるなど場外でのいざこざが多かったのが返す返すも残念なのだが、とりあえず関係者は声優陣には素直に感謝して欲しいなぁ。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。