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あの夏で待ってる #12(終)

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仲間達とMIBの助けで記憶の地に辿り着いたものの、イチカとの別れは避けられなかった。そしてまた夏が巡る・・・。
というわけで、要するにどこぞのティーチャーみたいな声した十七歳が全部悪い!!・・・みたいな最終回。
井上喜久子はあくまでサービスであって世界観の繋がりはないんだろうけど、それでもやっぱり嬉しくはあった。
しかし檸檬先輩の正体がMIBって設定はいくら何でもトバし過ぎてどうだったんだろう?
哲朗の義兄まで巻き込むのはさすがに反則だったんじゃないのか・・・!?
ただ、そういういかにも黒田洋介テイストなお遊びを置いておけば、一夏の青春群像劇として美しく終わっていて作品の出来そのものは満足。
結局報われず泣きながら大人になっていく柑菜にこそ全てのテーマは集約していたように思う。っていうかそうじゃないとあまりにも報われないよこの娘!!
あと、哲朗がさっさと裸族とくっついてないっていう微妙な距離感の拾い方はちょっと感心したな。
オチの絶妙な幕引きといい、こういう演出のバランス感覚は監督の長井龍雪のセンスが大きかったのかな。
全体としても、黒田脚本全開でありながら長井テイストが決して負けていないのが興味深かった。
というか黒田のターンと長井のターンが交互にくるような構成になっていて、よくよく考えると結構分裂した作品なんだけど通して観るとそんなに違和感ないのが面白かった。
当初は井出監督抜きの「おねがい」、岡田麿里抜きの「あの花」なんて成り立たないだろうと思ったものだが、そこを抜いて組み合わせたことの意味は確かに出ていたなぁ。
「おねがい」「あの花」と比べると心の痛みやノスタルジーといった泣き要素より、カラっとした前向きさが強くなっていたのが個性なのかも知れない。
声優陣も、特に島崎信長石原夏織のフレッシュで芯のある芝居が雰囲気を作っていて良かった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。