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つり球 #12(終)

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ハル、お前がルアーだったんだよ!! な、何だってー!!
・・・で、ハルを文字通り餌にしての宇宙人フィッシングに無事成功し、それぞれに新たな道に進んでいく最終回。
釣りシーンは前回に続いてド迫力かつ怒涛のハイテンションで、細かいことは置いといて強引に引っ張られ釣り上げられていく快感があった。
ぶっちゃけ一夏鍛えただけのユキの釣り技術で人間ルアーにして巨大生物釣り上げるなんて理屈ゼロの無茶苦茶さなのに、勢いで持っていってしまうのが見事。
投げられたハルの服が脱げていきながら船を通過してヒーーーット・・・のシーンなんて、どう観てもギャグなのに感動してしまう!!
それと、お祭り騒ぎが終わったあとのお別れを、きれいさっぱりと描いているのも少し意外な印象受けた。
こういうタイプの作品なら将来のことは考えつつも最後はまたみんなで釣りする日常に戻って終わりでも良かったはずなのに、ちゃんと夏樹をアメリカ行かせたのは立派だ。
ハルが戻ってくるだけでなく釣り上げた奴まで一緒にやってくる変化をつけていたのも、ただご当地の日常に留まだけではない健全さが感じられて興味深かったな。
全体としては、序盤の青春家族ドラマの出来が予想以上に良過ぎたせいで、本来メインとして用意されていたのであろう後半の宇宙人騒動が完全に蛇足になっているのが非常に勿体なかった。
たぶん、企画段階では派手な要素がないと不安だったんだろうなぁ・・・。
スタッフ的にもまさかここまで釣りやってるだけで成立してしまうとは、当人達もわかってなかったんじゃないかという気がする。
中村健治ノイタミナの申し子とでも言うべき存在で、ずっと先鋭的なエクセントリックさを求められていたと思うのだが、この作品でノイタミナという概念ごと脱皮を果たした印象。
「C」の段階でその萌芽はあったけど、それにしてもこれほどの泥臭い熱さを秘めていたとは驚かされたなー。
宇木敦哉キャラもデザイン重視かと思いきや意外と生っぽい芝居に耐える強度があって、その力も大きかったのかな。
また、大野敏哉の脚本力が正しく活かされていたのも好感。いや別にスイプリが駄目だったわけじゃないのだが・・・。
声優陣では逢坂良太のフレッシュな魅力が際立っていた。
ナチュラルな演技もいいし何より入野自由内山昂輝杉田智和の若手実力派に囲まれながら埋没しなかったのは素晴らしい。
この三人と肩を並べたことだし、そのうちロボット乗りで活躍してくれないかと期待。
あと個人的に、平野文のおばあちゃん役が凄く感慨深かったな・・・。おばあちゃん役になっても素敵な声優さんは良いものだ。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。