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劇場版NARUTO ブラッド・プリズン

劇場版NARUTO-ナルト- ブラッド・プリズン【完全生産限定版】(10分間以上の未公開映像付き) [DVD]
昨年の劇場版。
監督はむらた雅彦、脚本はミステリ小説家の東山彰良が務めている。ちなみにタイトルに「疾風伝」がない。
ミステリ仕立ての脱獄映画・・・という触れ込みだったと思うのだが、本編には特に推理要素もなければ脱獄スペクタクルもない。
最初に偽ナルトが出てきてこいつの正体を巡る謎が物語の軸になるのかと思っていたら、途中いきなり変化の術が得意なハゲのオッサンが出てきて脱力!!
いや、あのハゲのオッサン必要だったか!? 完全に部外者だし物のついでのようにあっさり死ぬし・・・。
脱獄についても何度も失敗を繰り返すだけで序盤の重苦しい雰囲気を更に強める効果くらいしかなかったのが残念。
監獄の描写にしろそこでの生活にしろ、今ひとつ悲壮感やリアリティがないのも気になった。
最終的にあの監獄が意外とアットホームなのは理屈に合ってたことは判明するのだが、それだったらもっと監獄への思い入れみたいなものを強調しておいて欲しかったし、どうも監獄ネタと後半のメインテーマが連動し切れていなかった印象。
メインの話についても細部に突っ込みどころが多く、せっかくのシリアスな語りが邪魔されているのが惜しかったなぁ。
いくら「血」を映像的にキーにしたいからって、誰も彼も身体ぶち抜かれ過ぎだろ・・・!!
忍者だから意外と平気なのかと思ったら結局みんな致命傷でバッドエンドに近い終わり方になるのも納得いかなかった。
約束があるとはいえ、ヒロインまであの親子に付き合わせることはなかったんじゃ・・・。
あと、感動の親子対面が漫☆画太郎みたいな顔芸で終わったのは衝撃的だった。親父を封印に巻き込みたくなかったんだんだろうけど、あれじゃ息子がトドメ刺したみたいだぞ。
総じて、「血の監獄」というワードとともにやりたいことはわかるけど、有機的に各要素が繋がっていなくて上滑り気味だった。
血と家族の絆を肯定的に描いているようで、結局それが悲劇を呼んでいるわけで、その報われなさにもう少しフォローがあれば・・・。
アクションに関しては後半のガマブン太&八尾の怪獣バトルがスケール感を重視した作りで見応えあった。
ただ、助けに来た仲間の扱いがセリフあったりなかったりと適当過ぎて萎える。一応、里への愛が重要になってくるんだからそこはナルトに一声かけてよ!!