氷菓 ＃１１・１１.５

氷菓 (3) オリジナルアニメBD付き限定版 (カドカワコミックス・エース)
TVアニメ 氷菓 ドラマCD1
君にまつわるミステリー
１１話は「愚者のエンドロール」完結編。
ミスを犯した奉太郎が古典部メンバーに次々と駄目出しを食らいながら苦い真実に辿り着くまでの道程を繊細なタッチで丁寧に追っていて、青春の挫折感が半端なかった。
実際のところ、そんな大した敗北でもないと思うのだが、生まれて初めてその気になった結果がこれではまあ心が折れるのも仕方なしか。
こういう傍から見れば小さなことで躓き迷う等身大の主人公像には凄く好感も持てる。
また、そういう奉太郎の心の起伏を余計な説明なしで描き抜いている演出の粘り強さも印象的だったな。
一方で声優陣の演技のギア比は明確に数段上げられていて、比較的低温を保っている画面とのギャップがまた凄く面白かった。
声だけ聞いているとまるで別作品に化けたかのような熱の違いで、感情が迸って漏れ出しているような効果が出ていたと思う。
これだけ映像を作り込みながら、敢えて音響面でその映像を逸脱させる演出をするって度胸あるよなー。それに応えた声優陣も見事。
ミステリとしても問題そのものがフェイクだったという仕掛けには感心した。
本格推理がどうこうといった議論自体が煙幕になっていたわけね・・・。

で、７日深夜２４時にUstreamで特別配信された番外編。
マンガ版に同梱される水着番外編というからには完全なお遊びサービス回なのかと思ったら、思いっきり１１話を引き摺った話で驚いた。
いやいや、これちゃんと本編で放送しなきゃ駄目だろ！！　落ち込んだ奉太郎がどう持ち直したのかがわかんなくならないか！？
まるで人生に疲れきったように苦悩しながら千反田の白水着おっぱいも気になって仕方ないという、実に青少年らしい奉太郎の姿もたまらなかった。
映像的には女子の水着サービス回なんだけど、精神的に萌えさせるのは奉太郎なのが京アニっぽいな。
それにしても市民プールにあんなエロい白ビキニで現れる千反田は天然痴女としか思えないよ！！
千反田のあの世界での美少女度ってどの程度に設定されてるんだろう？　あれはプール全体が騒然とするレベルに見える・・・。
それと水着を出すだけで満足せず、きちんとプール遊びの描写を積み重ねていく演出も良く出来ていた。
あのリア充な感じは、それを眺めるだけの奉太郎の気持ちともシンクロしてなかなか心抉るパワーもあったし・・・。
番外編なのに律儀に「氷菓」を絡めていたシナリオも良かったし、内容的には本当に完成度高かった。
ただ・・・繰り返すけど何でこれを番外編でやるかなぁ。
特別配信してくれただけマシとも言えるが、画質の悪いUstreamでの一回限りの生放送。しかも更にロゴだの宣伝スーパーだので画面を埋める念の入れようには、そこまでするかと若干引いた。
勿論、商売なんだからこういう手もアリだとは思うけど、さすがにもう少し視聴者に配慮があっても良かったのでは。
あと本編の前後にパーソナリティのコーナーがあったんだけど、レギュラーの近野明日香と言われて誰だっけと戸惑った。
あ、レギュラーってモブ役でのレギュラーってことか！！　そういえば確かに毎回クレジットにいる気がする。