(新)鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST #1
リライトしてやり残したことアゲインな今期リメイクブームの大本命。
良くも悪くも強烈な印象と結果を残した前作から
そう時間も経っていない段階で再びアニメ化という難儀な企画を
まずはどう見せてくるのかと注目された第一話だったが、
山寺宏一のゲストキャラを相手にキャラ総登場のド派手なバトルを
全編に渡って繰り広げるというお祭り仕様で幕を上げてきた。
まあ原作通りの第一話は前作ですでにやっちゃってるし、
インパクトを与えつつファンに最初の顔見せするにはベターな選択か。
ギャグ演出や軽快なアクションの連続によって、
とにかく重厚で濃厚になっていた前作終盤からのイメージを
少年マンガらしい雰囲気へと塗り替えるという意味もあったのかな。
作画演出についてもキャラデザにしろアクションの組み立てにしろ、
やはりポップでライトな方向に舵が切られている印象。
前作が敢えて切り捨てたところを上手く拾って再構成出来るなら
確かに今作のアイデンティティになるかも知れないが・・・。
最大の懸念事項だった声優の変更については、
三木眞一郎のロイはまだ違和感あるが配役自体には納得。
元々、原作の美形人気キャラに大川透を当てた前作の配役が
相当に冒険だったのであって普通に考えたらミキシンは正しい。
前作はロイを「大人キャラの代表」として扱っていて、
だからこそ大川透が必要でありそれが機能した名キャラになったわけだが、
今作は恐らくロイを完全な大人ではなくより原作に近い
兄貴分ポジションに持っていきたいってことなのだろうなー。
無能成分が若干多めになったのもそのせいか。
ただ、個人的にはあの大人ロイが好きだったので複雑ではある・・・。
他の変更キャラについても一つ一つ考えていけば納得はするし、
演技的にはそんなに不安要素もないのでまあ長い目で見守りたい。
しかし一番大変なのは前作であれだけキャラを積み上げたのに
それをリセットして臨まなきゃならない朴ロミ&釘宮理恵だよなぁ・・・。
ともかく原作とアニメ前作、あまりにも強力な比較対象に挟まれた状態で
それでも走り出してしまった今作については視聴者の側としても
どういうスタンスで観るべきなのかまだ掴みかねている部分がある。
次回以降、原作再現の展開に入れば嫌でも原作&前作との比較が始まるわけで、
その時果たして今作がどういう印象で見えてくるのか、
楽しみでもあり恐ろしくもあり・・・。